【主体性を育む】効果大!元園長が教える主体性ある遊びの3つのポイント

子どもたちの主体性を大切にしたいけど、どんな遊びをすればいいの?
遊びがなかなか発展しなくて、いつも同じことの繰り返しになっちゃう……

こんにちは!元園長で保育士歴10年の私が、そんな保育士さんの悩みを解決します!
子どもたちが自ら「やりたい!」を見つけ、夢中になって遊ぶ姿は、私たち保育士にとって何よりの喜びですよね。
でも、その「主体的な遊び」をどうやって効果的にサポートすればいいのか、具体的な方法に迷うこともあるかもしれません。
そこで今回は、主体性を育む遊びの展開方法と3つのポイントを具体的にお伝えします。
- 子どもの「やってみたい!」を引き出す環境構成
- 保育士の関わり方:「見守る」「共感する」「問いかける」
- 遊びの「展開」を意識する
この記事を読めば、明日からの保育で「子どもの主体性を引き出す遊び」を自信を持って実践できるようになります。
ぜひ最後までお付き合いください。
【結論】主体性を育む遊びで大切なことは、子どもの「やってみたい」

子どもの主体性を育む遊びで最も大切なのは、子どもの内側から湧き出る「やってみたい!」という興味関心です。
そして、その興味を深め、広げていくためには、魅力的な環境構成と、子どもの思いに寄り添う保育士の適切な関わり方が不可欠です。
保育士が「これをさせよう」と一方的に遊びを提供するのではなく、子どもが自ら遊びを選び、夢中になって試行錯誤する中で、主体性は自然と育まれていきます。
なぜ遊びを通して主体性を育むことが大切なのか?

「主体性」とは、自分で考え、判断し、行動すること。
保育の現場では、「自分でやりたいことを見つけて、意欲的に取り組む力」と言い換えられるでしょう。
では、なぜ「遊び」を通して主体性を育むことが重要なのでしょうか?
- 遊びは学びの源泉だから: 子どもにとって遊びは生活そのものであり、最も能動的で意欲的に取り組める活動です。遊びの中で子どもは様々な発見をし、試行錯誤を繰り返し、物事の仕組みや他者との関わり方を学んでいきます。
- 自己肯定感を高めるから: 自分で選んだ遊びに夢中になり、「できた!」という達成感を味わう経験は、子どもの自己肯定感を育みます。「自分ならできる」という自信が、さらなる挑戦への意欲、つまり主体性へと繋がるのです。
- 社会性を養うから: 友達との関わりの中で、自分の思いを伝えたり、相手の気持ちを考えたり、ルールを理解したりと、社会で生きていくために必要な力を遊びを通して獲得していきます。
より詳しく主体性保育について知りたい方は、こちらの記事も参考にしてください。

- 【主体性保育とは?】元園長が解説|定義・メリット・環境設定の基本
元園長が伝授!主体性を育む遊びの3つのポイント

具体的にどのようにすれば子どもの主体性を育む遊びを展開できるのでしょうか?
私が園長時代に大切にしていた3つのポイントをご紹介します。
秘訣1:子どもの「やってみたい!」を引き出す環境構成
子どもの主体性を引き出す第一歩は、子どもが思わず「触ってみたい!」「使ってみたい!」と感じるような魅力的な環境を用意することです。
- 多様な素材の提供
◦自然物: 葉っぱ、木の実、石、枝、砂、水、泥など。
◦廃材: 段ボール、新聞紙、牛乳パック、トイレットペーパーの芯、布切れ、空き容器など。
◦構造的な遊具: 積み木、ブロック、パズルなど。
◦見立て遊びを豊かにする道具: おままごとセット、人形、乗り物の玩具、布、箱など。 - 子どもが自分で選び、試行錯誤できる空間:
◦玩具や素材は、子どもの目線に合わせ、手に取りやすい場所に配置する。
コーナー保育を取り入れ、子どもが自分の興味関心に合わせて遊びを選べるようにする。
◦「散らかっても大丈夫」と思えるような、ある程度の自由度を保障する。
◦作品を飾るスペースや、途中の遊びを置いておけるスペースを確保する。 - 季節や発達に合わせた変化:
◦定期的に玩具や素材を見直し、子どもの興味や発達段階に合わせて入れ替える。
◦季節の行事や自然の変化を取り入れた素材を用意する。(例:秋にはどんぐりや落ち葉、夏には水遊び道具)
秘訣2:保育士の関わり方:「見守る」「共感する」「問いかける」
環境設定と同じくらい大切なのが、人的環境である保育士の関わり方です。指示や命令ではなく、子どもの主体性を尊重する関わりを心がけましょう。
- 「見守る」ことの重要性:
子どもが遊びに集中しているときは、むやみに声をかけず、じっくりと見守る。
子どもが自分で考えて試行錯誤する時間を保障する。
安全に配慮しつつ、多少の失敗は経験として捉える。 - 子どもの気持ちに「共感する」:
「楽しいね」「悔しいね」「できたね!」など、子どもの気持ちに寄り添った言葉をかける。
子どもの発見や工夫を具体的に褒める。「〇〇ちゃん、こんな積み方を発見したんだね、すごい!」 - 子どもの思考を深める「問いかけ」:
「どうしたらもっと高く積めるかな?」「次は何をしてみたい?」など、子どもが自分で考えるきっかけとなるような問いかけをする。
答えを教えるのではなく、ヒントを出したり、一緒に考えたりする姿勢が大切。
「なぜ?」「どうして?」と繰り返すのではなく、子どもの言葉に耳を傾け、その子なりの考えを引き出す。
<元園長が教えるのNG関わりとOK関わり>
NGな関わり | OKな関わり |
「こうやって作るんだよ」とすぐに手本を見せる | 「どうやって作ろうか?」と一緒に考える、または見守る |
「それは違うよ」と間違いを指摘する | 「面白いね!そうやってやってみたんだね」とまずは受け止める |
遊びを途中で中断させ、別の活動に誘導する | 子どもの集中が途切れるまで、できるだけ遊び込めるように時間や空間を保障する |
大人の価値観で遊びの良し悪しを判断する | 子どもの「やりたい」という気持ちを尊重し、安全面で問題がなければ見守る |
秘訣3:遊びの「展開」を意識する
子どもたちの遊びがマンネリ化せず、より豊かに発展していくためには、保育士が展開のヒントとなるようなものを準備しておくことが重要です。
ここではおままごとを例に紹介していきます。
- 新しい素材の提示:ままごとに、エプロンや三角巾、メニュー表などを加えてみる。
- 新しい遊び方の提案(さりげなく):「お店屋さんごっこ、お客さんがたくさん来るといいね。呼び込みしてみる?」など
- 空間の変化:いつものおままごとコーナーを、段ボールで仕切って「おうち」にしてみる。
- 役割の導入・変化:ごっこ遊びで「お客さん役」「お店の人役」など役割分担を促す。
- 子ども同士の関わりを促す:「〇〇ちゃんも一緒にやってみたらどうかな?」
【まとめ】主体性を育む遊びは、保育士の腕の見せ所!
- 子どもの「やってみたい!」を引き出す環境構成
- 保育士の関わり方:「見守る」「共感する」「問いかける」
- 遊びの「展開」を意識する
子どもの主体性を育む遊びは、決して難しいものではありません。
大切なのは、子どもの「やってみたい!」という気持ちに寄り添い、それを実現できる環境を整え、温かく見守りながら時にはそっと背中を押してあげる保育士の関わりです。
今回ご紹介した遊びのポイントや展開法は、あくまで一例です。
ぜひ、あなた自身のクラスの子どもたちの興味や発達に合わせてアレンジし、日々の保育に取り入れてみてください。
元園長として、そして一人の保育士として、子どもたちが遊びを通して生き生きと成長していく姿を見ることが何よりの喜びでした。
この記事が、あなたの保育の一助となれば幸いです。
主体性保育を実践して疑問が出てきたらこちらの記事をお読みください。
