【新人保育士】日誌・指導案 基本の書き方と時短のヒントを徹底解説

「日々の保育で手一杯なのに、日誌や指導案まで手が回らない…」
「何を書けばいいか分からなくて、気づけばいつも残業…」
「先輩の書いたものを見ると、自分の内容が薄っぺらく感じてしまう…」
保育士1年目のあなた、書類作成に関してこんな悩みを抱えていませんか?
子どもたちと過ごす時間はとても楽しいけれど、保育の後には日誌や指導案といった書類作成が待っていますよね。特に新人時代は、書き方の基本が分からなかったり、時間がかかってしまったりして、大きな負担に感じてしまうことも少なくありません。
こんにちは!「保育にわらいを!」をモットーに、保育士さんの悩みやキャリアを応援するブログを運営している、保育士のわら先生です。
私も新人時代、日誌や指導案には本当に苦労しました!何時間もパソコンの前で唸ったり、先輩に何度も赤ペンを入れてもらったり…(遠い目)。
だから、「書き方が分からない」「時間がかかる」というあなたの気持ち、とってもよく分かります。
でも、安心してください。書類作成は、ポイントを押さえれば必ずスムーズに書けるようになりますし、少しでも楽にするためのヒントもあります。
この記事では、
- なぜ日誌や指導案を書くのか?(目的と重要性)
- 【保育日誌】基本の構成と「伝わる」書き方のポイント
- 【指導案】基本の構成と「ねらい」を明確にする書き方
- もう残業しない!書類作成の時短術&効率化のヒント
について、私の経験も踏まえながら、新人さんにも分かりやすく徹底解説していきます!
この記事を読めば、日誌や指導案作成への苦手意識が減り、自信を持って取り組めるようになるはず。書類作成を味方につけて、もっと保育に集中し、「保育にわらいを!」増やしていきましょう!
なぜ日誌や指導案を書くの?その目的と重要性
まず、「なんでこんなに書類を書かないといけないの?」と感じる方もいるかもしれません。日誌や指導案には、保育の質を高めるための大切な目的があります。
- 保育の記録・振り返りのため(日誌): その日あった出来事や子どもの姿、保育者の関わりを記録することで、客観的に保育を振り返り、改善点や新たな発見に繋げます。
- 計画的な保育を展開するため(指導案): 子どもの発達や興味に合わせて、どのような活動を展開し、どのような環境を用意し、どう援助していくのかを具体的に計画することで、意図的・計画的な保育を実現します。
- 子どもの育ちを把握し、次の援助に繋げるため: 日々の記録や計画を通して、一人ひとりの子どもの成長やつまずきを継続的に把握し、個々に合ったより良い援助を考えるための基礎となります。
- 職員間の情報共有・連携のため: クラス担任だけでなく、他の職員(フリーの先生、主任、園長など)も書類を読むことで、子どもの情報や保育の意図を共有し、園全体で一貫した保育を行うことができます。
- 保護者への説明責任・信頼関係構築のため: 保育の内容や子どもの様子を記録・計画しておくことは、保護者に対して園での子どもの育ちを具体的に伝え、説明責任を果たし、信頼関係を築く上でも重要になります。
面倒に感じることもある書類作成ですが、このように自分の保育を深め、子どもたちの成長を支え、周りとの連携を円滑にするための大切なツールなのです。目的を理解すると、少し前向きに取り組めるかもしれませんね。
【保育日誌】基本の構成と「伝わる」書き方のポイント

まずは、毎日の保育を記録する「保育日誌」について見ていきましょう。
(※日誌のフォーマットや必須項目は園によって異なりますので、必ずご自身の園の形式を確認してくださいね!)
日誌の主な構成要素(一般的な例)
- 日付、天気、気温、湿度など
- 子どもの人数(クラス全体、欠席者とその理由など)
- その日のねらい
- 活動内容(時間ごとの流れ、主活動、自由遊びなど)
- 子どもの様子(全体的な様子、個別のエピソードなど)
- 保育者の援助・配慮
- 健康状態・安全点検など
- 考察・反省・明日の課題
何を書くべき?具体的な内容例
- 活動内容: 時間軸に沿って、どのような活動を行ったかを簡潔に記述します。「〇〇公園へ散歩」「粘土遊び」「絵本の読み聞かせ」など。主活動だけでなく、自由遊びの時間に子どもたちがどんな遊びに興味を持っていたかなども書けると良いでしょう。
- 子どもの様子: ここが日誌の肝!具体的なエピソードを盛り込むことが大切です。
- 誰が、何を、どのようにしていたかを客観的に記述します。(例:「Aちゃんが積み木でタワーを作り、『先生見て!』と嬉しそうに報告してくれた。」)
- 「楽しそうだった」「集中していた」だけでなく、なぜそう感じたのか(表情、言葉、行動)も具体的に書くと、より伝わりやすくなります。(例:「Bくんは砂場で夢中になってトンネルを掘り、時折『うーん』と考え込むような表情を見せながらも、30分以上集中していた。」)
- 子どもの成長が見られた点や、配慮が必要だと感じた点なども記録しておきましょう。(例:「昨日までできなかったCちゃんの着替えが、今日は自分でボタンを留められた。」「Dくんが友達との関わりで少しトラブルがあったため、午後は気持ちに寄り添うよう意識した。」)
- 保育者の援助・配慮: 子どもの様子に対して、保育者がどのような意図を持って、どのように関わったかを記述します。(例:「積み木が崩れて悔しがるAちゃんの気持ちを受け止め、『もう一回やってみようか』と励ました。」「砂場遊びに集中するBくんの邪魔にならないよう、少し離れた場所で見守った。」)
- 考察・反省: その日の保育全体を振り返ります。
- 設定した「ねらい」は達成できたか?
- 子どもの反応はどうだったか?
- 保育者の援助は適切だったか?
- 環境構成に改善点はないか?
- 明日の保育にどう繋げるか?(具体的な課題や工夫)
書き方のポイント&NG例
- 5W1Hを意識する: 「いつ」「どこで」「誰が」「何を」「なぜ」「どのように」を明確に書くと、状況が分かりやすくなります。
- 具体的なエピソードを盛り込む: 個別の子どもの姿が見える記録は、価値が高いです。
- 子どもの気持ちに寄り添う視点: 行動の背景にある子どもの気持ちを推察する言葉を入れると、記録に深みが出ます。
- 客観的な事実と主観(保育者の考え)を区別する: 事実と考察は分けて書くように意識しましょう。
- 専門用語を使いすぎない: 他の職員や、場合によっては保護者が見る可能性も考え、分かりやすい言葉を選びましょう。
わら先生流・日誌作成のコツ: 全部を完璧に書こうとせず、その日特に印象に残った子どものエピソードや、自分の関わりで「これは!」と思ったことを1つでも具体的に書くことから始めてみましょう。例えば、「今日のキラリ☆ Aちゃんの挑戦!」のように、キャッチーな小見出しをつけてエピソードを書くのも、後で見返した時に分かりやすくておすすめです。
【指導案】基本の構成と「ねらい」を明確にする書き方

次に、保育の計画書である「指導案」です。週案、月案、日案(活動案)など種類がありますが、ここでは基本的な考え方と構成要素を見ていきましょう。
(※こちらも園によってフォーマットは様々です。基本的には園の形式に沿って作成しましょう。)
指導案の主な構成要素(一般的な例)
- 主題/テーマ
- ねらい (最も重要!)
- 期間/日時
- 対象児/クラス
- 活動内容
- 環境構成(物的・人的)
- 予想される子どもの活動
- 保育者の援助・配慮
- 評価・考察(活動後)
「ねらい」設定のポイント
指導案の心臓部とも言えるのが「ねらい」です。これが曖昧だと、計画全体がぼやけてしまいます。
- 発達段階や実態を考慮する: その年齢の子どもの発達段階や、クラスの子どもたちの興味・関心、これまでの経験などを踏まえて設定します。
- 何を育てたいかを明確に: その活動を通して、子どもたちにどんな経験をしてほしいのか、どんな力が育ってほしいのかを具体的に考えます。(例:協調性、思考力、表現力、自然への興味関心など)
- 子どもの姿を主語にした表現で: 「~を楽しむ」「~に気づく」「~しようとする」「~を感じる」など、子どもの具体的な姿がイメージできるような言葉で書きます。(保育所保育指針などを参考にすると良いでしょう)
- 具体的で、達成可能で、観察可能な目標に: 漠然とした目標ではなく、「〇〇ができるようになる」よりも「〇〇に挑戦しようとする姿が見られる」など、プロセスや意欲に焦点を当てた方が、評価もしやすくなります。
「内容」「環境構成」「予想される活動」「援助」の連動
これらの項目は、「ねらい」を達成するために、互いに関連し合っています。
- 内容: ねらいを達成するための具体的な活動(導入、展開、まとめなど)を書きます。
- 環境構成: 子どもたちが活動に意欲的に取り組み、ねらいとする経験ができるように、物的環境(遊具、素材、スペースなど)と人的環境(保育者の配置、声かけ、雰囲気作りなど)を具体的に計画します。安全への配慮は最重要項目です!
- 予想される子どもの活動: 設定した環境や活動の中で、子どもたちがどのような反応を示し、どのように遊びを展開していくかを具体的に予想します。複数のパターンを考えておくと良いでしょう。
- 保育者の援助・配慮: 予想される子どもの活動に対して、保育者がどのように関わり、援助していくのかを具体的に書きます。子どもの主体性を引き出すような声かけや、個々の子どもの状況に応じた配慮などを計画します。
「考察(評価・反省)」の書き方(活動後)
活動が終わったら、指導案に基づいて保育を振り返ります。
- ねらいは達成できたか?
- 子どもの反応は予想通りだったか?予想外の反応は?
- 環境構成や援助は適切だったか?
- 今回の活動で見えた子どもの成長や課題は?
- 次の保育にどう繋げるか?(改善点、新たなねらいなど)
わら先生流・指導案作成のコツ: 最初は完璧な指導案を書こうと意気込みすぎず、まずは**「ねらい」をしっかり定める**ことに集中しましょう。ねらいが明確になれば、他の項目は自然と繋がってきます。先輩の指導案を参考にしたり、テンプレートを活用したりするのも有効です。書くことに慣れてきたら、少しずつ自分の言葉で、子どもたちの姿を思い浮かべながら書けるようになりますよ。
もう残業しない!書類作成の時短術&効率化のヒント
とはいえ、毎日忙しい中で書類作成に時間をかけるのは大変ですよね。少しでも効率化するためのヒントをご紹介します。
- スキマ時間をフル活用!: 子どもがお昼寝している時間、少し早く出勤した後の時間、バス待ちの時間など、5分でも10分でも良いので、こまめに記録を進める癖をつけましょう。「後でまとめてやろう」は、結局残業につながりがちです…。
- テンプレート・定型文を活用: 日誌や指導案で毎回書くような定型的な文章(天気、人数、基本的な活動の流れなど)は、自分なりにテンプレート化しておくと入力が楽になります。園のフォーマットに慣れることも大切です。
- タイピング練習: 入力スピードが上がれば、単純に時間が短縮できます。タイピングが遅いと思っている人は、タイピングサイトで練習をしてみましょう。寿司打などなんでもいいので練習してください。
園長の経験上、仕事が遅い人=タイピングが遅い人ばかりでした…。練習してくださいとお願いしても、練習してくれる人はほとんどいませんでした。なので!タイピングスピード上げるだけでも、大幅な改善が見られるはずです。 - 単語登録: よく使う言葉(子どもの名前、園の名前、専門用語など)を登録しておくと、入力の手間が省けます。
- Excel活用: 名簿管理や記録の集計などにExcelを活用すると効率的な場合もあります。(園によります)
- 写真や動画で「ちょいメモ」: 保育中に印象的な場面があったら、許可を得た上でサッと写真や動画で記録しておくのも手。後で日誌を書くときに、具体的な状況を思い出しやすくなります。
- 先輩の書き方を参考にする(真似る!): 上手な先輩の書類は、書き方や表現の宝庫です。「この言い回し、分かりやすいな」「こういう視点もあるのか」と良い部分をどんどん参考に(もちろん丸写しはNGですよ!)。
- 一人で抱え込まない: どうしても書き方が分からない時、時間が足りない時は、正直に先輩や主任に相談しましょう。アドバイスをもらえたり、分担を考慮してもらえたりするかもしれません。
- 完璧を目指さない!: 特に最初のうちは、100点満点の書類を目指す必要はありません。「まずは書き上げる」「提出期限を守る」ことを目標にしましょう。質は徐々に高めていけば大丈夫です。
わら先生の時短術: 私は、保育中にその日の午前中の出来事をメモ程度に書いておき、午睡中のメモを見返して思い出すようにしていました。記憶が新しいうちに記録するのが一番効率的ですよ!
まとめ:書類作成も「保育の力」に!焦らず、自分のペースで大丈夫

新人保育士の皆さん、日誌や指導案の作成、本当に大変ですよね。
でも、今回お伝えしたように、書類作成はあなたの保育を振り返り、深め、子どもたちの成長に繋げるための大切なプロセスです。
最初は時間がかかったり、うまく書けなかったりして当たり前。焦る必要はありません。
まずは基本の構成やポイントを押さえ、一つひとつの書類に丁寧に向き合ってみてください。
完璧を目指すよりも、自分の言葉で、子どもの姿を具体的に記録・計画することを大切にしましょう。
書くことを通して、今まで気づかなかった子どもの成長を発見したり、自分の保育の課題が見えたり、きっとたくさんの学びがあるはずです。
このブログが、書類作成に悩むあなたの助けとなり、少しでも負担が軽くなるきっかけになれば嬉しいです。
書類作成もあなたの「保育の力」に変えて、「保育にわらいを!」増やしていきましょうね。
あなたが書類作成で工夫していることや、困っていることなど、ぜひ下のコメント欄で教えてください!
みんなで情報交換して、一緒にスキルアップしていきましょう!