【元園長直伝】3・4・5歳児の主体性を爆発させる!年齢別遊びと保育記録アイデア集
このブログでは、保育士歴10年、うち4年間を012歳児園の園長として子どもたち・保育士たちと向き合ってきた私の経験から、あなたが抱える保育への「モヤモヤ」を「スッキリ」に変えるお手伝いをしています。
年少・年中・年長・の主体性保育で、こんな風に一人で悩んでいませんか?

年少さんや年中・年長さんになると、どうやって主体性を伸ばしてあげたらいいのかな…?
保育記録にもどう書けばいいか悩むことが多いなぁ……

この記事では、主体性保育のアイデアや記録に悩んでいる方へ
元園長の経験から、3歳児(年少)、4歳児(年中)、5歳児(年長)の発達に合わせた主体性を育む室内・戸外遊びアイデアと、保育記録の視点をご紹介します!
3・4・5歳児は、心も体も大きく成長し、自我がより豊かになる大切な時期。子どもたちの「やってみたい!」という気持ちを上手に引き出し、それを保育記録として残すことで、一人ひとりの成長をより深く理解し、次の保育へと繋げることができますよ。
なぜ今「主体性保育」? 子どもの未来を拓くカギ

主体性保育とは、子どもが自ら興味・関心事を見つけ、積極的に関わる力を育む保育です。
大人が教えるのではなく、子どもの「なぜ?」「どうやって?」という探求心を原動力に、遊びや生活を通して学びを深めていくこと。
この保育で育まれるのは、自己肯定感、思考力、判断力、表現力、集中力、探求心、社会性や協調性など、変化の激しい現代を生き抜く上で不可欠な力です。
より詳しい主体性保育の基本やメリット、環境設定については、こちらの記事も参考にしてみてくださいね。

【3歳児・年少】「自分でできた!」自信を育む!主体性UP遊び&保育記録のポイント

3歳児(年少)は「自分でやりたい!」意欲が旺盛で、言葉や友達との関わりも豊かになります。
保育者はその意欲を受け止め、試行錯誤を見守り、達成感が味わえるように共感して自己肯定感を育むことが大切です。
【3歳児・年少】主体性を育む室内遊びアイデア:「なりきりコーナー」で広がる世界
年少さんの「ごっこ遊び」は、生活経験の再現から始まります。
お店屋さんやお医者さんなど、身近なテーマから取り入れ、徐々に子どもたちの興味に合わせて発展させていくと良いでしょう。作ったおもちゃで遊ぶだけでなく、作る過程そのものを楽しむことも大切です。
- ねらい:
- 模倣や想像を楽しむ。
- 簡単な役割を通じて友達との関わりを体験する。
- 準備するもの例:
エプロン、空き箱等(お店屋さん用)、玩具の医療セット、マント等の簡易衣装、廃材(牛乳パック、芯材等)、シール、安全な描画材や道具。 - 保育士の関わり方のコツ:
- 子どもたちが自由に想像を膨らませられるよう、コーナーに様々な素材を用意し、固定的な使い方を押し付けないようにする。
- 子ども同士のやり取りを見守り、言葉の行き違いや物の取り合いが起きた際には、それぞれの気持ちを受け止め、どうすれば一緒に遊べるかを考えるきっかけを作ります。
- 保育記録のポイント:
- どんなものになりきって遊んでいたか(具体的なセリフや行動)。
- 素材をどのように工夫して使っていたか(見立て遊びの様子)。
- 友達とどのようなやり取りをしていたか(役割分担、言葉かけなど)。
【3歳児・年少】主体性を育む戸外遊びアイデア:ちいさな探検で五感を刺激
年少さんの探検は、大人にとっては些細なことでも、子どもにとっては大発見の連続です。
子どもの「なんだろう?」という好奇心を大切に、一緒にワクワクする気持ちで関わることが、主体的な探求心を引き出す鍵となります。
- ねらい: 身近な自然に触れて興味を広げ基本的な運動能力を高め、発見の喜びを共有する。
- 準備するもの例: 虫かご、虫眼鏡、小型スコップ、汚れても良い服装。
- 保育士の関わり方のコツ:
- 園庭や近所の公園など、安全に配慮した場所で、子どもたちが自由に探索できるようにします。
- 子どもが見つけたものを一緒に観察し、「これは何だろうね?」「どんな形かな?」と問いかけ、子どもの発見を促します。
- 保育記録のポイント:
- 何に興味を示し、どのように関わっていたか(触る、見る、においをかぐなど)。
- 発見したことをどのように表現していたか(言葉、表情、身振りなど)。
- 友達とどのように関わっていたか(一緒に探す、見せ合うなど)。
【4歳児・年中】「みんなで挑戦!」協調性と発想力を伸ばす遊び&保育記録のポイント

4歳児(年中)は、思考力や言語能力がさらに発達し、友達と協力して遊ぶことの楽しさを感じ始める時期です。
ルールのある遊びを理解し、自分たちで遊びを発展させようとする姿も見られます。
保育士は、子どもたちの「こうしたい!」という思いを尊重し、葛藤や失敗も経験しながら、仲間と力を合わせる喜びを支えることが重要です。
【4歳児・年中】主体性を育む室内遊びアイデア:発見と工夫の宝庫!なんでも実験おもしろ素材ラボ
歳児(年中)は、「なぜ?」「どうして?」という知的好奇心が旺盛になり、身の回りの様々なものに興味を示す時期です。
この遊びでは、保育室の一角に様々な質感や性質を持つ素材を用意し、子どもたちが自由に触れて試せる「ラボ(実験室)」のようなコーナーを設けます。
子どもたちは素材の性質を五感を通して発見し、「こうしたらどうなるかな?」と試行錯誤しながら、科学的な思考の芽や創造力を育みます。
- ねらい:
- 様々な素材に触れ、その性質(重さ、形、感触、水に浮くか沈むか、くっつくかなど)や変化に興味を持ち、探求心や思考力を育む。
- 友達と試したり、発見を共有したりする中で、言葉で伝え合ったり、協力したりする楽しさを知る。
- 五感を使って試行錯誤する中で、集中力や「こうしてみよう」という工夫する力を養う。
- 様々な素材に触れ、その性質(重さ、形、感触、水に浮くか沈むか、くっつくかなど)や変化に興味を持ち、探求心や思考力を育む。
- 準備するもの例:
- 水(タライや大きめのボウルに入れる)、砂、粘土、新聞紙、段ボール、色水(食紅など安全なもの)
- 様々な形や大きさの容器(プリンカップ、ペットボトル、牛乳パックなど)
- ストロー、スポイト、計量カップ、じょうご
- 性質の異なる素材:
- 軽いもの/重いもの(スポンジ、木のブロック、石など)
- 水に浮くもの/沈むもの(葉っぱ、プラスチックのおもちゃ、金属のスプーンなど)
- 磁石と、磁石につくもの/つかないもの(クリップ、アルミホイル、積み木など ※誤飲に注意し保育士管理のもと)
- 様々な手触りの布や紙(ツルツル、ザラザラ、ふわふわなど)
- 道具類:
- 虫眼鏡、トレイ、ピンセット(子ども用)、はかり(簡単なものでOK)
- 記録用具(あっても良い):
- 大きな紙やホワイトボード、マーカー(発見したことを絵や簡単な記号で記録するため)
- 保育士の関わり方のコツ:
- 初めは保育士がいくつかの素材で遊んでみせ、「これ、水に入れたらどうなると思う?」などと問いかけ、子どもの興味を引き出すのも一つの方法です。
- 答えをすぐに教えるのではなく、子どもたちが自分で気づいたり、友達と話し合ったりして答えを見つけ出そうとする過程を大切にします。
- 子どもたちの言葉や発見を大きな紙に書き留めたり、写真に撮ったりして共有することで、他の子どもたちの興味を喚起したり、活動の継続性を促したりすることもできます。
- 保育記録のポイント:
- どの素材に特に興味を示し、どのように触れ、試していたか(具体的な行動、使っていた道具など)。
- 素材の性質について、どんな発見や気づきがあったか(子どもの言葉、表情、驚きなど)。
- 「こうしたらどうなるだろう?」という仮説や、試行錯誤のプロセス。
- 友達とどのように関わり、発見を共有したり、協力したりして遊んでいたか。
【4歳児・年中】主体性を育む戸外遊びアイデア:ルールを工夫!オリジナル鬼ごっこ大会
年中さんになると、ただ遊ぶだけでなく、「どうすればもっと面白くなるか」を考えられるようになります。
保育士は、その発想を最大限に引き出し、試行錯誤する過程を大切にしましょう。自分たちで考えたルールで遊ぶ経験は、大きな達成感と自信に繋がります。
- ねらい:
- ルール遊びを楽しみ、自分たちでルールを工夫・創造する中で社会性や運動能力を高める。
- 友達と協力したり、競い合ったりする中で、社会性や運動能力を高める。
- 思いきり体を動かす心地よさを味わう。
- 準備するもの例:
広い安全なスペース、鬼の目印(ビブス等)、範囲を示す物(コーン等)。 - 保育士の関わり方のコツ:
- 基本の鬼ごっこでルールを共有後、「もっと面白くするには?」と問いかけアイデアを引き出します。
- 子どもの意見を尊重し、新しいルールを試してみます。
- うまくいかない点は再度話し合う機会を持ち、改善策を考えます。
- 勝敗だけでなく、ルール遵守、協力、アイデア等を認め褒めます。
- 保育記録のポイント:
新しいルールのアイデア、ルールに関する話し合いの様子や子どもの反応を記録。
【5歳児・年長】「目標達成!」自信と社会性を深める遊び&記録術

5歳児(年長)は心身共に大きく成長し、仲間意識が強まり、共通目的に向かって計画的に協力する力が育ちます。
リーダーシップや葛藤解決の経験を通じて社会性や問題解決能力を養います。保育者は挑戦を励まし、集団の成長を支えます。
【5歳児・年長】主体性を育む室内遊びアイデア:達成感を味わう!クラスみんなで巨大製作プロジェクト
年長さんのプロジェクト活動は、保育士の忍耐力も試されるかもしれません。
しかし、子どもたちが自分たちで考え、悩み、協力し、そして大きな目標を達成する経験は、何物にも代えがたい成長の糧となります。
保育士は、子どもたちの力を信じ、安心して挑戦できる環境を整えることが最も大切です。
- ねらい:
クラス全体で共通目標を持ち計画的に製作に取り組み、協力して大きな作品を作り上げる達成感を味わう。 - 準備するもの例:
大きなテーマ(未来の街等)、大量の段ボールや新聞紙等の廃材、描画材、接着・切断道具(カッターは保育者使用)、設計図用の大きな紙。 - 保育士の関わり方のコツ:
- 「大きなものを作りたいね!」と提案し、テーマや内容を時間をかけて話し合います。
- 製作物、材料、担当等を子ども主体で計画できるよう促し、保育者はファシリテーターに。
- トラブルや意見衝突時は「どうしたらいい?」と問いかけ、子ども自身で解決策を見守ります。
- 個性を認め、グループ内の協力や助け合いを促します。完成品は発表の機会を設け達成感に。
- 保育記録のポイント:
- プロジェクトのテーマ決めや計画段階での子どもたちの発言やアイデア。
- 製作過程での役割分担、協力の様子、リーダーシップを発揮する姿。
- 困難に直面した際に、どのように話し合い、解決しようとしたか。
【5歳児・年長】主体性を育む戸外遊びアイデア:チームで挑む!チャレンジゲーム大会
年長さんのチームゲームは、単なる運動能力の向上だけでなく、社会性や精神的な成長を促す絶好の機会です。
保育士は、子どもたちが自分たちで考え、協力し、時にはぶつかり合いながらも目標に向かって努力する過程を温かく見守り、その成長を記録に残していくことが大切です。
- ねらい:
- チームで協力し戦略を立てて共通目標に向かい、経験をする。
- 様々な運動遊びで成功や失敗を通じて自己肯定感や粘り強さを育む。
- 準備するもの例:
各種運動用具(ボール、縄跳び等)、チーム分け用品(ハチマキ等)、得点板。 - 保育士の関わり方のコツ:
- チームで運動課題(玉入れ、リレー等)に挑戦。種目は子どもと相談も可。
- 作戦会議でどうすればうまくいくか、役割分担などを話し合わせ、保育者は促しや結論へのサポートを。
- 競技中は勝敗だけでなく、励まし合い、諦めない姿、ルール遵守を認め声をかけます。
- うまくいかないチームや落ち込む子には気持ちを受け止め励まします。
- 大会後は頑張りを称え合い、互いの健闘を認め合う雰囲気を作ります。
- 保育記録の着眼点:
- チームでの作戦会議の様子(どんな意見が出たか、どのようにまとまったか)。
- 競技中のチーム内の協力や励まし合いの具体的な言葉や行動。
- 困難な課題に対して、どのように挑戦し、乗り越えようとしたか。
まとめ:主体性を育む保育の極意は「信じて待つ」こと
- 3歳児: 「自分でやりたい!」気持ちの尊重と共感。
- 4歳児: 「仲間と協力する喜び」の体験。ルール理解と工夫。
- 5歳児: 「共通目標への計画性と協調性」の育成。リーダーシップと問題解決。
3歳から5歳児の主体性を育むアイデアを紹介してきました。年齢が上がるにつれ、より複雑な課題に挑戦し、仲間と協力して目標達成する力が身につきます。
ここで紹介したのは、あくまで一例です。
自分のクラスにあった形で、応用していってください!
幼児期の主体性を育む保育は「待つこと」「信じること」が基本。
子どもが自分で考え、試し、失敗から学ぶ過程をじっくり見守る姿勢が求められます。
保育者は最も身近な支援者として、可能性を最大限に引き出す環境を用意する役割があります。
日々の活動での子どもの興味、工夫、表情を丁寧に記録することは、一人ひとりの成長を深く理解し、次のステップへ繋げる羅針盤となるでしょう。
この記事が、子どもたちの主体的な学びと輝く笑顔を引き出す一助となれば幸いです。
